【実体験】7年間家から出なかった私がひきこもりを脱出した方法

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私は10代後半から約7年間、いわゆる「ひきこもり」という状態でした。
そんな私がどうやってひきこもりから脱出し、外に出られるようになったのか、綴ってみたいと思います。

ひきこもり状態

私がひきこもりになったのは17歳の頃です。
それまで通っていた高校を中退し、約7年間家にこもっていました。
ひきこもりになったきっかけはやはり高校を辞めて、他に出かけるところがなくなったのが大きいと思います。そもそも不登校ぎみで学校は好きではありませんでしたが、家と学校以外のコミュニティに属していたわけでもなかったので、毎日出かけるところがなくなりました。
今思うと学校に行かないなら働きなよ、と思うのですが、当時アルバイトの経験もほとんど無く、学校に行くのも辛いと思っていた私にはバイトに行くなど恐怖。ハードルが高すぎて無理でした。

バイトをするわけでもなく、他の学校に行くわけでもなく、友達も多い方ではなかったので、遊びに行くわけでもなく。

気が付いたら 7年が過ぎていました。

当時の状態としては、家の中であれば自由にウロウロしていました。
家族ともすこしは会話はありました。
「ニート」とも言える状態だったかもしれませんが、当時はまだニートという言葉が一般的になる前だったように記憶しています。
外に出ることはほとんどなく、出ても家の敷地内くらい。どこかのお店に出かけたりすることもありませんでした。

そんな状態だった私がこのままではやばいと感じ、どうやって脱出していったのか、きっかけをいくつか紹介します。

本屋

ひきこもりからの脱出の一歩として、とりあえず家から出てみる。そしてちょっと歩いてみる、というのが有効だと思います。

私の場合、家から歩いて15分くらいのところに本屋がありました。
そこにたまに行っていました。
歩くということは運動にもなりますし、運動をすると気分が晴れます。継続すれば体力も付きます。

また、ひきこもりが長くなると、人と話すのが怖い、人に見られるのが怖い、という気持ちになる人も多いと思います。
その点、本屋であれば、ひとりでふらっと訪れても他のお客さんも似たような感じなので、目立ちませんし、店員さんに話しかけられることもまずありません。
本を物色する感じで店内をうろついて、人の気配に慣れるのにいい場所だと思います。

同じ理由で図書館もいいですね。
図書館に座って本を読むというのも、いつもとは違う環境で気持ちのリフレッシュになると思います。

ただ、本屋に行くのはいつでもできる分、気が向いたときだけの外出になり、定期的な外出にはならず、気が付いたら前回の外出から数か月経っていた、ということもありました。

料理教室

次に料理教室に通ってみることにしました。

なぜ料理教室かというと、ある時、テレビで映画の予告を見かけました。
それは元モーニング娘。の後藤真希さんと武田鉄矢さんが出ている「青春ばかちん料理塾」というもの。
この映画は高校を退学した主人公が友達に刺激されて料理教室に通う、という内容です。

それを見たときに、あ、そこでもいいんだ。と目から鱗が落ちる気がしました。
私は社会復帰というと、学校に通ったり、仕事をしなければいけない、と考えていました。
そうなると、入学手続き、入学金、お金をもらう責任の重さ・・・など、気持ち的にもハードルが高く、行動に移すことができませんでした。

でも、料理教室であれば、もし嫌だったらやめても大きな損害はないだろうし(金銭面など)、毎日あるわけじゃないし、お金を稼ぐわけじゃないから、責任もないし、うまくできなくても誰かに迷惑かけるわけじゃないし。
これならできるかもしれない、と思ったんです。

それで料理教室に通ってみることにしました。
地元の公民館でやっていた、近所の料理上手な奥様が家庭料理を教えてくれる、という所でした。

ただ、平日の昼時にやっている教室に行くと、年配の奥様たちが多く、料理することよりも楽しくおしゃべりをすることが目的、という感じで、正直一緒にやるのは辛かったです。
そこで平日の夜の教室に変えてみると、仕事帰りのOLさん、ちょっと料理をしてみたくなった風の年配の男性、若い主婦の人、など色々な方がいて、お互いの名前とか知らないし、プライベートな会話をずっとするわけでもなく、お料理を手順通りに作ればよかったので楽でした。

また、何人かのグループごとに分かれて取り組む教室だったので、どれを担当しますか、みたいな会話をする必要はあり、人と話す訓練にもなったかな、と感じています。

この経験から、料理教室でなくても、自分が興味を惹かれるものがあればふらっとはじめてみれば、ひきこもり脱出のきっかけになるのではないかな、と思います。

周りの生徒さんや教室の雰囲気など、自分に合う、合わないは絶対ありますので、それは行ってみて無理だと感じたら、やめるのもありです。
やめてしまっても自分を責めないで、ただ「私には合わなかったんだな。」と思ってればいいと思います。


私に大きなきっかけをくれた映画。感謝。

通信制高校

ふたたび学校に行くことにしました。

料理教室などで外出に少しずつ慣れてきたところで、本格的に社会復帰を考え始めました。
そこで働くことも考え仕事の求人を見たのですが、目に入ったのは、学歴の欄の「高卒以上」の文字。
当時の私は高校中退。つまり中卒。

これから一生働いていかなければいけないし、仕事を探すたびに学歴で制限されるのは辛い。だから、高校を卒業したいな、と思ったのです。

「高卒認定」も考えたのですが、これは学歴になるわけではないので、選択肢から外しました。
大学・専門学校への進学を考えている方にはいいと思います。

そこで見つけたのが「通信制高校」です。

平日毎日通う全日制、夜間に授業を行う夜間定時制などとは違い、基本的には自宅での自主学習をベースとし、月に数回程度学校に通う、という学校です。

毎日学校に通うというのは負担に感じていたので、私にちょうどいいと思い、チャレンジすることにしました。
学費に関しては当時の私はまったく収入がなかったので、親に相談したところ負担してくれました。親としてもいつまでもひきこもりの状態でいられるよりは社会復帰に向けて動いていることを喜んでくれていたと思います。

ただ、編入準備のため、昔通っていた高校に書類を作成してもらう必要があり、親に甘えていてはダメだと思い、自分で高校に依頼をすることにしました。
電話をかけて依頼したのですが、その時の「明日かけよう」と決めてから、眠れなくなり、電話をかけるときには心臓が口から飛び出すんではないかと思うくらいドキドキしたのを今でも覚えています。
電話をかけるってちょっと緊張しますよね。
ひきこもりだった自分にはかなりハードルが高かったのを、勇気を振り絞って頑張ったんじゃないかな、と思うので、「よくやったね」って当時の自分を褒めてあげたいです。(笑)

私が通信制高校に入学したのは24歳でした。

現役の高校生よりだいぶ年上ですよね。
なので、はじめて学校に行くときはうまく馴染めるのかすごく不安でした。
でもいざ行ってみると、まわりは色々な人がいました。
60代の人、私と同世代で隣の県から来ている人、子育て中の20歳の人、中学を卒業して全日制の高校には行かず、はじめから通信制高校に通っている人。

みなさん、様々な事情がありつつ学校に来ている人が多かったです。そのためか、トラブルを起こすような人はおらず、マイペースで過ごせました。

ひとりで家にいるときは自分だけが世界に取り残されているんじゃないかという感覚が強かったのですが、外に出てみるとみんな多少転んだりレールからはみ出すこともありつつ、それぞれの形で人生を送っているんだなぁ、と視野が広がりました。

学校に行くのは月に数回なんですが、教室で授業を受けるのはもちろん、体育の授業もあったりして、運動不足で苦戦しつつ、行く前には想像できなかったほど楽しい学校生活が送れました。

通信制高校で知り合った人とはいまだに交流が続いていて、勇気を出して通ってよかったと心から思っています。

短期バイト

”働く”という段階になって最初に選んだのは短期のバイトでした。

学校にも通うようになり、定期的に外に出ることにも慣れてきて、そろそろ働いてみようと思ったのですが、それまで働いた経験というと年賀はがきの仕分け作業くらいしかなく、どうしようかな、と思っていたところ近所のクリーニング店の短期バイトを見つけました。

衣替え時期の繁忙期の2週間ほど、クリーニング店の工場でのバイトでした。
応募してみたところ運よく雇ってもらい、勤務開始。
仕事は業務用洗濯機で洗い終わった布団や毛布を干していくという、単純ですが体力を使う仕事だったので、体的にはしんどかったですが、なんとか最後までこなすことができました。

無事にやりきれたことが自信にもなり、そこからはカフェでバイトをしたり、派遣会社に登録して働いたり、いつの間にか”フリーター”になり、私のひきこもり生活は終わりました。

まとめ

ひきこもりから脱出しようと思っても、何からはじめればいいのか迷うと思います。
そんな時はひとまず少しだけ外出する機会を増やしてみてください。
そうするともうちょっと遠くまで行けるかな、もうちょっと長い時間外にいても平気かも、という感じで行動範囲を広げていけるのではないでしょうか。

いきなり人生を変えるのは正直難しいです。
でも小さな事をひとつひとつ積み重ねる事で気が付いたら違う場所にいるっていうことはあると思います。
今現在、悩んでいる方もいると思います。
私は専門家ではないので、確実なことは何も言えないのですが、私の経験してきた事が誰かのお役に立てたり、何か行動を起こす参考になれればとても嬉しいです。

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