「女ともだち」 真梨幸子 / 女の友情って嫉妬込み。

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おすすめの本の紹介です!

同日に同じマンションで、二人の独身キャリアウーマンが殺された。一流企業のOLだった被害者の“裏の顔”とは? 二つの殺人をつなぐ接点とは? 新人ルポライターの楢本野江(ならもとのえ)が辿り着いた真相は、驚くべきものだった……。衝撃の結末が女たちの心の闇をえぐり出す、ドロドロ濃度200%の長編ミステリー。

引用:真梨幸子「女ともだち」裏表紙より https://amzn.to/3B28TEY

イヤミスの女王と呼ばれる真梨幸子さんの小説。

期待を裏切らないドロドロ、グロテスクな表現ありの作品になっています。

イヤミスとは:
ミステリー作品の一種で、読んだ後に「嫌な気分」になる小説のこと。

本作は題名の「女ともだち」の通り、女性の登場人物が多く、女同士の嫉妬や羨望の感情がもりもり出てきます。

また、殺人事件が題材なので、血が出てきたり、陰惨な描写も出てきて、食事中に読んだらちょっと食欲がなくなるような感じも・・・。

それでも次々に読んでしまうのは、登場人物それぞれに語られる人生やエピソードが面白く、それこそが物語になっていて引き込まれてしまうから。

例えば住宅ローンの話や芸能人のおっかけ(推し活って言った方がわかりやすいかな?)にかかる金銭的な話など。リアルで興味深い。

主人公のルポライターが取材をしていくという形式で登場人物の裏の顔が明かされていく感じも、噂話を聞いているような気持になって、どんどん読み進めてしまいます。

週刊誌のゴシップ記事で人の人生を面白おかしく見ているような気分に近いかも。

また、主人公の楢本野江は新人ルポライターと書かれていますが、30代半ばの女性。他の登場人物も30代から40代の女性が多く、結婚や出産、仕事、それぞれの人生をそれぞれの選択で進んでいる年代。

でもどこかで選択を間違ってしまったようないびつさもあり読んでいて辛い。
私は年代も近く、同じ女ということもあり、共感できる部分もあり、見ていて自分にも心当たりがあるような感情でえぐられる感じもあり。でもそこが面白く感じるのかも。

ラストに向けて冷や汗が出てくるような怒涛の展開がめちゃくちゃ面白いですが、くもり空のような気分が残る。なるほどこれがイヤミスか。

読んだ後呆然とするような、登場人物にその後幸せが来るのか心配になるような、物語の世界からなかなか抜け出せないような感覚。

でもこの感じが癖になっちゃって、イヤミスってまた読みたくなっちゃうんですよね。

ミステリー小説ですが、雰囲気はホラーっぽい感じもあり、暗い雰囲気の小説が好きな方には垂涎ものの小説だと思います。

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