2025年2月27日放送の「アメトーーク!」の「漫画大好き芸人」で紹介された南寝先生の『午後の光線』。
番組内での芸人さんたちの反応が「いや、これすごい……」「読んだ後しばらく動けなくなった」という感じで、明らかに普通の漫画じゃなさそうでした。
さらに、ネットで感想を調べると「ただのBLじゃない」「展開が衝撃すぎる」「読後のダメージが大きい」など、やたらと不穏な言葉が並んでいます。
めちゃめちゃ気になってしまったので、さっそく読んでみました!
- 王道ではない青春ものが好きな人
- 人間ドラマを深く味わいたい人
- 読後に余韻を引きずる作品を求めている人
そんな方におすすめの漫画です。ぜひこの記事を参考にしてみてください!
午後の光線
読んだ感想「こんな展開、誰が予想できるの!?」
主人公は淀井という少年。
彼は母親とその恋人が取り巻く複雑な家庭環境に悩んでいます。
そんな中、同級生の村瀬と出会います。彼は過去のトラウマから、グロテスクなものに性的興奮を覚えてしまうという非常に特殊な性癖を持っているのです。
物語は、村瀬がいじめに遭っているところを淀井が目撃し、激昂して止めに入るところから始まります。
それをきっかけに二人は交流を深めていくんですが、お互いの「痛み」を共有しながら関係を築いていく姿が本当に胸に刺さります。
少しずつ互いを知り、自分たちの痛みも共有していく。
お互いに、傷ついた心を少しでも和らげてあげたい、そう願いながら。
その関係は、危うくて、切実で、息をするのも忘れるほど繊細です。
この物語には「無視できない死の気配」がずっと付きまとっています。
高校生らしいにぎやかな場面があるのに、その楽しさの裏側にはどうしようもない不穏さが漂っている。
そして、不安は的中します。
「えっ、こんな展開になるの?」
と、何度もページをめくる手が止まりそうになりました。
どこまでも痛くて、逃げ場がない。
でも、二人の関係があまりにも美しくて、目が離せない。
物語が進むにつれて、「この関係、どうなっちゃうの?」という不安がどんどん募ってきます。
最後の方なんて、もうページをめくる手が震えました。いや、これ、本当にどうなるの・・・?
そして迎えたラスト。もう言葉が出ない・・・。
気づいたら、涙があふれて鳴咽が止まりませんでした。
読み終えて、しばし放心状態。
感情がぐちゃぐちゃになって、「これは一体、何を読んだんだろう……?」と呆然・・・。
良い意味で、完全に裏切られたと感じました。
午後の光線をおすすめしたい人
- 王道ではない青春ものが好きな人
これは確実に刺さります。決して予定調和にならず、「そんな方向に進むの!?」の連続でした。
- 人間ドラマを深く味わいたい人
BL要素はありますが、それ以上に「人間同士の関係の深さ」を考えさせられます。
- 読後に余韻を引きずる作品を求めている人
読み終わった後、すぐに次の本にはいけないタイプの作品です。
強い余韻を味わいたい人にはうってつけです。
午後の光線をあまりおすすめできない人
- 王道のハッピーエンドを求める人
これはもう断言できます。「読んでスッキリ!」みたいな話ではありません。
むしろ、心を抉られる系。
- 気軽に読めるBLを探している人
完全に「心に刺さる系」の物語なので、軽い気持ちで読むと精神を持っていかれます。
- 重い話が苦手な人
少しでも「今は精神的にキツい話は無理だ・・・」と思うなら、読むタイミングを考えたほうがいいかもしれません。
まとめ
『午後の光線』、読み終えてからも何度も彼らのことを思い出してしまいます。
それくらい印象的で、この漫画に出会えてよかったなぁと感じます。
ですが、もう一度読むのは・・・正直、怖い。
ただのBL漫画ではないし、ただの青春漫画というわけでもない。
むしろ、「人が人とどう向き合うのか」「救いとは何か」 みたいなテーマが、ずしんと心に響く物語でした。
誰にでもおすすめできる漫画、という感じではありません。
でも、もし「普通の漫画じゃ満足できない」「何か強烈なものを読みたい」と思っているなら、この作品は絶対に刺さります。
読む前には、覚悟を決めて・・・。
そして、ページをめくるたびに訪れる衝撃を、ぜひ体験してみてほしいと思います。